2009.4.27 395号(ダイジェスト版)
辺野古基地建設・「アセス準備書」撤回せよ

米軍基地建設に巨額の税金、「グアム協定」反対

  アメリカ言いなり自公政府に抗議の声を! 


 また大阪港に米イージス駆逐艦が入港

  年々拡大される民間港の軍事使用 

 北朝鮮の「ミサイル発射」にそなえて日本海に出動していた米第7艦隊所属イージス駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が「友好・親善」のためと称して4月23〜27日、大阪南港J岸壁に入港しました。

1994年10月、27年ぶりに米軍艦が入港したことに大きな衝撃を受けた市民の声を受け、大阪市会は「大阪港平和利用決議」(94・11・9)を全会一致で採択し、大阪港の軍事的な使用に反対する意思を明確に示しましたが、その後、2008年までに10回も米軍艦の入港が相次ぎ(その他の外国軍艦の入港も7隻)、市民の度重なる抗議にもかかわらず、大阪市長は入港を許可し続けてきました。90年代と2000年代前半は2年に1回の入港でしたが、06年からは毎年になり、08年は2回も入港するなど明らかにエスカレートしています。

 「平和な商業貿易港に軍艦はいらない」「大阪市は『大阪港平和利用決議』を堅持し、軍艦の入港を拒否せよ」という立場から、大阪実行委員会は対市交渉を申し入れ、21日午後、港湾局で交渉を行ないました。

 事前に市長宛に文書で提出した7項目の問題点にはまったく答えず、従来通りの姿勢に終始しています。

 大阪市が、市民の声にまじめに向き合うことも質問に誠実に答える姿勢も能力もないことが改めて明らかになりました。地方自治体としての最小限の自主性も誇りも投げ捨てて恥じない大阪市に対して大きな憤りを禁じ得ません。

 矢臼別の「反戦地主」川瀬氾ニさん死去

 4月20日、川瀬氾ニさんの訃報が届きました。82歳でした。

 昨年10月上旬に「くも膜下異常、動脈瘤」で緊急入院、術後少しは快方に向かっていた様子でしたが、本当に残念なことになりました。、

 大阪実行委員会は同日、実娘・関畑三九子さんに悼詞を送りました。

 悼詞 本日、川瀬氾二さん逝去の報に接し、なんとか快復されることを念願していただけに、驚きと深い悲しみを禁じ得ません。

 安保破棄大阪実行委員会は、この30年、毎年「北海道平和ツアー」を取り組み、必ず矢臼別を訪ねて川瀬さんと交流を重ねてきました。

 いま不屈の信念でたたかってこられた川瀬さんの生涯と、謙虚で穏やかな人柄を悲しみのうちに想い起こしています。

 ご逝去を悼み、心からご冥福をお祈り致します。

 2009年4月20日

  安保破棄大阪実行委員会

 23日の入港抗議行動に宣伝カー9台50人

 大阪実行委員会は、大阪原水協、平和委員会、非核の会とともに、入港当日の現地抗議行動をよびかけました。直前に接岸予定時刻が2時間も遅れることが判明、少々混乱しましたが、J岸壁には、9台の宣伝カー(大阪労連・自治労連・府職労・大教組・全港湾阪神・自交総連・福祉保育労・建交労・共産党木津川南地区)と24の団体から約50人が駆けつけ、1時間にわたって米艦船に日英両語で抗議のシュプレヒコールや訴えを行ないました。

 大阪実行委員会は同日午後からも「23日行動」として市内5ヵ所でスポット宣伝行動を行い、ビラ500枚を市民に配りました。

◆大阪市長あてに提出した大阪実行委 員会の申し入れ文書のうちの一部

 「平和利用決議」は、とりわけ核積載艦船の入港についてきびしく拒否している。ところが大阪市はこれまで「外務省に問い合わせたら、『米側から事前協議がなかったので核は積んでいないと判断できる』とのことなので問題はない」と強弁し、「日米安保条約にもとづく地位協定で米艦船の民間港への出入が認められている」、「港湾法の規定により軍艦と商船を差別して扱うことはできない」として、「バースが空いていれば入港を認める」という態度に終始してきた。

(1)米公文書館で機密解除されて判明した「核兵器積載艦船の入港は事前協議の対象としない」という日米間の密約が存在していたこと。

「『非核証明書』の提示がない外国艦船の神戸港入港は認めない」とする神戸方式により、1975年以来、神戸港には米軍艦が入港していない。つまり、米軍は前述の「密約」に加えて、「核の有無を公けにしない」というのであるから、米軍艦に核兵器積載の疑いがあるということに他ならない。

 平松・大阪市長あてに提出した大阪実行委員会の申し入れに対して、

 (大阪市港湾局海務担当・玉井課長名で寄せられた「回答」の全文)

 大阪市では、大阪港の利用に関し、港湾法第13条第2項の「何人に対しても不平等な取り扱いをしてはならない」との規程に基づき、外国船の入港の申請があった場合は、港湾の管理運営上支障がない限り使用を認めることとし、「大阪港の平和利用

に関する決議」や「平和都市宣言」を踏まえて、岸壁の利用状況等を総合的に勘案して対処してまいります。

 また、外国船の入港に際しては、その都度、外務省並びに在阪領事館に対して、核兵器搭載の有無を確認し、岸壁の使用を許可してきております。

 沖縄問題で緊急に「学習連帯集会in大阪」

 辺野古の新基地建設を進めるために那覇防衛局が4月1日、県や名護市に「環境影響評価準備書(アセスメント)」を提出、これに対する意見書が5月2〜15日に受けつけられるため、沖縄統一連は全国からの意見書の集中をよびかけています。

 平和と環境を守る声を全国から届けようと、中央実行委員会と日本平和委員会が4月18日「学習連帯集会in大阪」を開催、会場の大商連会館には近畿6府県から約40人が参加しました。

 新しく中央実行委事務局次長になった東森英男さん(前全教書記長)が主催者あいさつをおこない、乾友行事務局次長が、沖縄のたたかいの現局面の特徴とアセス準備書のずさんな中身や問題点をくわしく報告、意見書運動を提起しました。各府県では沖縄県民に連帯する意見書運動を開始しています。



◆大阪実行委員会は4月27日、「沖縄防衛局が県や名護市に提出した新基地建設のための環境影響評価準備書は、機械や船、騒音のためジュゴンが近づけないような調査を強行したうえ、『建設予定地にジュゴンが常在せず、影響は少ない』としていること一つとっても、まったく『準備書』に値しない恣意的なものといわなければならない。県民、住民の意思に逆らい、基地建設をごり押ししようとする政府に抗議し、準備書の撤回を強く要求する。」との意見書を沖縄統一連(FAX098・862・6596)に託しました。

 第2次関西基地めぐりに8府県から49人

 近畿6府県の安保破棄実行委員会(和歌山は県民会議)による「第2次(東南コース)関西基地めぐり」が4月11〜12日に行われ、神奈川・愛媛をふくむ8府県から49人(うち大阪からは23人)が参加しました。

 昨年5月31日〜6月1日の第1次は神戸、伊丹、舞鶴、あいば野を一巡しましたが、当初昨年10月に予定した第2次が「解散・総選挙がらみの情勢」のため延期されていたもの。

 大型バス満席の一行は、まず京都宇治市・大久保の駐屯地を皮切りに、精華町・関西補給処祝園弾薬庫、奈良市法華寺町の航空自衛隊幹部候補生学校、八尾飛行場、さらに米艦船の入港が年々拡大されている大阪港・大阪南港を廻った後、和泉市・信太山演習場の覆道式射撃場を経て、一路和歌山・加太の民宿へ。

 2日目は、紀淡海峡を睨む要衡地として日露戦争、明治時代から太平洋戦争までの間、砲台や地下の要塞、トーチカ、弾薬庫などが造られた加太の戦跡を見学、さらに海上自衛隊由良分屯地を廻って日高町・煙樹ヶ浜へ。ここでの交流と視察を終えて全日程を終了。


◆大久保(第4施設団) 陸上で戦争するためのあらゆる物資・機材・武器・弾薬・陣地構築・渡河訓練などの配備・調整を引き受ける部隊。92年にカンボジアヘのPKO活動で派遣された。同年10月4日現地での抗議集会には大阪からの2千人を含め1万人が参加。


◆広大な山林を占拠する祝園弾薬庫 その面積は474?(大阪城公園=106?の4倍以上)。常時1500?もの弾薬が貯蔵されているといわれる。


◆北陸・東海・近畿・中国・四国の2府19県に展開する中部方面隊の直轄航空隊が置かれている八尾飛行場では、地元の杉本春夫・共産党八尾市議からヘリの騒音問題や自衛隊による市民取り込みの状況などについて説明を受けた。


◆信太山の第37普通科連隊は、04年に全国で最初に米海兵隊から117人がグアムで「都市型(市街地)戦闘訓練」を伝授され、その後、滋賀県「あいば野演習場」で中部方面隊の各部隊に次々とこの訓練を指導している。信太山演習場での八尾ヘリ部隊による演習も連日のように行なわれている。


◆煙樹ヶ浜 陸上自衛隊和歌山駐屯地に水際障害中隊(海岸近くの海底や海中に「機雷」を敷設する部隊)が置かれ、地元の同意がないまま、水陸両用水際地雷敷設車が配備され、06年から数回波打ち際での模擬演習を強行した。反対闘争を続けている「美浜の自然を守る会」の東原会長と日高町三尾の谷岡区長が一行を迎え、海岸でこれまでの経緯をくわしく説明された。

◆車中学習も 移動の車中では、日本平和委員会が制作したビデオ『イラク戦争の真実』や大阪実行委員会で急遽編集したビデオダイジェスト版(3月27日に死去されたアレン・ネルソンさんを偲び、『戦場の母たち』の一部、日本への核持込みの事実が明らかにされた「空母オリスカニ」に関する映像の一部、都市型戦闘訓練を報道したテレビ画像とあいば野での市街地・夜間行軍や基地公開の様子、信太山での演習の写真と『聳ゆるマスト・阪口喜一郎』からの抜粋など)を上映しました。

 また、この「基地めぐり」には06年1月3日に横須賀で空母キティホークの乗組員によって奥さんを惨殺された横須賀の山崎正則さんをお招きし、事件の模様や損害賠償を求めて国を相手にたたかっている裁判(5月20日判決)について、同行した神奈川県統一促進会議・宇佐美一平事務局長ともども報告していただきました。そして、横浜地裁あてに提出する「米兵による女性強盗殺人事件に関する要請書(署名)」の取組みを急いで広げることを確認しました。

安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会
   Tel06-6763-3833  fax06-6763-3836
   
・大阪市天王寺区
  玉造元町 17-22