2008.12.15/2009.1.15 安保破棄中央実行委員会
ニュース第339号より転載


旭川「北鎮記念館」を訪ねて

 安保破棄大阪実行委員会 事務局長 竹馬稔

 田母神問題、侵略戦争を美化する自衛隊の組織ぐるみの幹部教育の一端が明らかになり、安保破棄大阪実行委員会の07年夏の「北海道平和ツアー」の時立ち寄った旭川・第2師団の「北鎮記念館」を思い出しました。

 明治初期から軍都とされ、日清・日露戦争をはじめ中国侵略からアジア・太平洋戦争に至る長い戦争の時代に、第一線の派遣部隊とされた戦前の第7師団の「威容」と「戦果」がここの展示の大部分を占めていました。5億円以上かけて作られた新記念館には、「先人たちの遺した『北鎮』という旭川師団精神を継承し・・」「歴史教育の場としてその役割を果たしている」と掲示され、「建立以来、百五年余の時を越えて北を睨み、その意思を陸上自衛隊第2師団が受け継いでいます」(桂太郎帝国陸軍大将の石碑についての説明)とまで明記しています。ある参加者は「ここは旭川の『遊就館』だ」と言いました。

 「ポツダム宣言」受諾と無条件降伏によって戦前の帝国軍隊は侵略軍と断罪され、その国際的な審判を受け入れ「戦争放棄」を宣言して国際社会への復帰が認められた日本が、自衛隊の施設を利用して本来何の連続性もない戦前の帝国軍隊の威容と戦果を称揚する、歴史に対する無反省な立場から、そのことを内外に誇示し軍国主義体制への回帰という危険なもくろみを隠そうともしない・・、こんなことが許されるわけがありません。

 青森・大湊の海上自衛隊の資料館でも、大阪・信太山駐屯地にある記念館の展示の内容も基調も同様なものでした。国際社会と日本国憲法がきっぱり否定した侵略戦争の美化と正当化、歴史の歪曲が、国民の税金をつかって全国の自衛隊基地で、おおっぴらに行なわれていること告発しなければなりません。

 後日、安保破棄大阪実行委員会は「北鎮館」に公開質問状を出しました。

  

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