第2次関西基地めぐりに8府県から49人
近畿6府県の安保破棄実行委員会(和歌山は県民会議)による「第2次(東南コース)関西基地めぐり」が4月11〜12日に行われ、神奈川・愛媛をふくむ8府県から49人(うち大阪からは23人)が参加しました。
昨年5月31日〜6月1日の第1次は神戸、伊丹、舞鶴、あいば野を一巡しましたが、当初昨年10月に予定した第2次が「解散・総選挙がらみの情勢」のため延期されていたもの。
大型バス満席の一行は、まず京都宇治市・大久保の駐屯地を皮切りに、精華町・関西補給処祝園弾薬庫、奈良市法華寺町の航空自衛隊幹部候補生学校、八尾飛行場、さらに米艦船の入港が年々拡大されている大阪港・大阪南港を廻った後、和泉市・信太山演習場の覆道式射撃場を経て、一路和歌山・加太の民宿へ。
2日目は、紀淡海峡を睨む要衡地として日露戦争、明治時代から太平洋戦争までの間、砲台や地下の要塞、トーチカ、弾薬庫などが造られた加太の戦跡を見学、さらに海上自衛隊由良分屯地を廻って日高町・煙樹ヶ浜へ。ここでの交流と視察を終えて全日程を終了。
◆大久保(第4施設団) 陸上で戦争するためのあらゆる物資・機材・武器・弾薬・陣地構築・渡河訓練などの配備・調整を引き受ける部隊。92年にカンボジアヘのPKO活動で派遣された。同年10月4日現地での抗議集会には大阪からの2千人を含め1万人が参加。
◆広大な山林を占拠する祝園弾薬庫 その面積は474?(大阪城公園=106?の4倍以上)。常時1500?もの弾薬が貯蔵されているといわれる。
◆北陸・東海・近畿・中国・四国の2府19県に展開する中部方面隊の直轄航空隊が置かれている八尾飛行場では、地元の杉本春夫・共産党八尾市議からヘリの騒音問題や自衛隊による市民取り込みの状況などについて説明を受けた。
◆信太山の第37普通科連隊は、04年に全国で最初に米海兵隊から117人がグアムで「都市型(市街地)戦闘訓練」を伝授され、その後、滋賀県「あいば野演習場」で中部方面隊の各部隊に次々とこの訓練を指導している。信太山演習場での八尾ヘリ部隊による演習も連日のように行なわれている。
◆煙樹ヶ浜 陸上自衛隊和歌山駐屯地に水際障害中隊(海岸近くの海底や海中に「機雷」を敷設する部隊)が置かれ、地元の同意がないまま、水陸両用水際地雷敷設車が配備され、06年から数回波打ち際での模擬演習を強行した。反対闘争を続けている「美浜の自然を守る会」の東原会長と日高町三尾の谷岡区長が一行を迎え、海岸でこれまでの経緯をくわしく説明された。
◆車中学習も 移動の車中では、日本平和委員会が制作したビデオ『イラク戦争の真実』や大阪実行委員会で急遽編集したビデオダイジェスト版(3月27日に死去されたアレン・ネルソンさんを偲び、『戦場の母たち』の一部、日本への核持込みの事実が明らかにされた「空母オリスカニ」に関する映像の一部、都市型戦闘訓練を報道したテレビ画像とあいば野での市街地・夜間行軍や基地公開の様子、信太山での演習の写真と『聳ゆるマスト・阪口喜一郎』からの抜粋など)を上映しました。
また、この「基地めぐり」には06年1月3日に横須賀で空母キティホークの乗組員によって奥さんを惨殺された横須賀の山崎正則さんをお招きし、事件の模様や損害賠償を求めて国を相手にたたかっている裁判(5月20日判決)について、同行した神奈川県統一促進会議・宇佐美一平事務局長ともども報告していただきました。そして、横浜地裁あてに提出する「米兵による女性強盗殺人事件に関する要請書(署名)」の取組みを急いで広げることを確認しました。
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