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日本の現状

世界に例のない「基地国家」日本
半世紀たっても「植民地」なみ

日本の米軍基地 戦争が終って半世紀以上たつのに、日本には4万人をこす米兵が常駐し、130をこす基地が沖縄をはじめ全国におかれています。
 「日本国の安全と極東における国際の平和及び安全」のために駐留するという日米安保条約第6条の規定を踏みこえて、横須賀や佐世保を母港とする空母機動部隊や強襲揚陸艦、「航空宇宙遠征軍」に組み込まれた三沢の空軍、そして沖縄と岩国に展開している海兵隊は、遠く中東・湾岸やユーゴ・アフガン空爆などに繰り返し出動しています。
 第一線の「殴り込み部隊」といわれる米海兵隊が本国以外に常駐しているのも、空母が配備されているのも世界中で日本だけです。
 さらにまた米軍は、他国への先制攻撃のための実弾演習や低空飛行訓練などを全国各地で勝手放題におこない、国民のいのちと安全、暮らしを毎日おびやかしています。
 その米軍に日本は年間6,740億円(米兵1人あたり1,670万円)もの私たちの税金をつぎ込んでいるのです。こんな「アメリカいいなり」「植民地的な国」は日本以外、世界の中どこにもありません。

こんなにある在日米軍基地
北海道
青 森
岩 手
山 形
宮 城
新 潟
茨 城
千 葉
埼 玉
神奈川
東 京
静 岡
 2 (16)
3 ( 3)
( 1)
( 1)
( 3)
( 1)
( 1)
1   
3   
16 ( 1)
7   
2 ( 2)
石 川
岐 阜
滋 賀
広 島
山 口
福 岡
 大 分
 佐 賀
 宮 崎
 熊 本
 長 崎
 沖 縄
( 1)
( 1)
( 1)
5 ( 2)
2   
1 ( 1)
( 1)
1   
( 1)
( 1)
11  ( 2)
40  ( 2)
合 計 94+(42)=136 、 ( )内は日米共同使用

「ソ連脅威論」、通用しなくなっても
 「ソ連の脅威から日本を守る」という口実で戦後ずっと強化されてきた日米軍事同盟は、ソ連崩壊後も「見直し」がおこなわれ (1996年4月「日米安保共同宣言」)、21世紀にむけていっそう強化されています。

新ガイドライン=戦争法で
「戦争する国」へ 改憲策動も強まる
 世界の軍縮の流れに反して増強をつづける自衛隊。いま日本の軍事費はアメリカに次いで世界第2位ですが、その根源は安保条約第3条です。
 そして、第5条では「日米共同作戦」が取り決められており、一言でいえば、「日本が攻撃を受けた場合に日米両軍が共同して行動する」ことが決められていますが、あらたに「日本の領域以外でアメリカが軍事行動をおこした時に日本が米軍を支援・協力する」ことを決めました。(97年の「新ガイドライン」)
 1999年5月に自自公3党によって強行された新ガイドライン法=「周辺事態法」は、自衛隊だけでなく地方自治体も民間もアメリカの戦争に動員するというものです。戦争を放棄した憲法に違反するだけでなく、安保条約の枠組みをも大きく踏みこえています。
 そしていま戦争法の発動準備が進められ、さらに国民を米軍の戦争に総動員する「有事法制」制定と憲法改悪の動きが強まっています。


戦争法の具体化、大阪でも、関西でも
 1999年7月、大阪湾で海上自衛隊の艦船25隻と航空機20機余りを動員した戦後最大規模の海上軍事演習が行われました。大阪港への軍艦の入港もここ数年増え続けています。
    また、2000年1月の伊丹の日米合同演習では米軍機が10回も大阪空港に乗り込みました。11月、あいば野(滋賀県)での日米合同演習に際しても、米軍機が8回大阪空港に乗り込みました。
    銃をもった自衛隊員が戦闘服で市街地を行軍したり(和泉市内、2000年6月19日深夜、約500人)、演習のたびに米軍や自衛隊が公立病院の調査をおこなったり、武器・弾薬の輸送に民間業者を動員したり、新ガイドライン法の具体化と地ならしが、私たちのまわりでも目に見えて強化されてきています。


くらし・経済にも「安保」の重圧
 安保の害悪は軍事面だけにとどまりません。
 60年の改定で加えられた第2条(「経済協力条項」)にもとづいて、日本のエネルギーは石炭・水力発電から石油や原子力を中心に転換させられ、またアメリカの農産物のおしつけで食料・穀物の自給率も低下、農業破壊が急速に進みました。
 最近では、規制緩和、公共投資の「630兆円」、ゼロ金利政策はじめ、経済のグローバル化の名によるアメリカの経済覇権主義の格好のえじきにされています。
 国民の暮らし破壊や不況、中小企業の倒産、リストラ、失業増大、金融破綻、深刻な財政難などの根っこには日米安保条約があり、その重圧がのしかかっています。

米軍駐留経費の負担日本は突出
21の駐留国の合計を上回って
 自衛隊の増強を続けてきた日本は、いまや世界第2位の軍事費大国です。2000年12月に閣議で決めた次期防(2001~2005年の中期防衛整備計画)では、25兆円を超す膨大な軍備拡大となっています。
 その上、米軍駐留経費の負担では日本は他の21の米軍駐留国の負担額合計を上回り、アメリカにとって「世界で最も気前のいい経費負担国」になっています。

中止せよ!思いやり予算
 さらに、条約上、負担義務のない「思いやり予算」が1978年に始まり、初年度の62億円からいまでは2,500億円と45倍に急増、深刻な国の財政危機のもとでも継続・増額されています。
 2001年3月の「特別協定」期限切れに際して「きっぱり打ち切るのが筋だ」という声を無視して、自公保連立与党は、「特別協定」の延長を国会で強行しました。

税金は、私たちのために使って!
えっ!?こんなものま日本側負担
米軍への「思いやり」予算約2500億円の内訳は…


●沖合いへの基地拡張・滑走路建設(岩国基地)…227億円
●在日米軍が使う水光熱費も負担。電気代だけで…158億円
●家族住宅798戸(同)…427億円
●体育館・野球場(キャンプ・ハンセン)…7億円
●中学校(嘉手納基地)…35億円
●硫黄島でのNLP訓練…4億円
 (FA18戦闘攻撃機の厚木基地間の飛行経費…1時間当たり51万円)
●ちょうネクタイ、タキシードなどの基地従業員征服の更新費…3億円など
2500億円あれば…
●乳幼児医療費就学前まで無料化……1,100億円
●保育所待機児ゼロに……650億円