日本の現状№2

アメリカの要求に屈し、
13年間で630兆円の公共投資

 税金の浪費と国家財政破綻の元凶の一つが95年度からの「公共投資基本計画」。13年間で630兆円、国と地方で年間50兆円。下水道や住宅など国民にとって本当に必要な公共事業に取り組むのではなく、大半が巨大プロジェクト中心の投資で、「総額先にありき」の計画です。

 発端は90年2月の「日米構造協議」。政府はアメリカの圧力に屈して、91年度から10年で430兆円の投資計画を決め、その後さらに200兆円を積み増ししました。

 財政危機の最大の原因であるこうしたバラマキ・浪費のゼネコン型公共事業を続ける一方、70兆円もの銀行支援、消費税増税や福祉予算の削減などの「逆立ち財政」で景気も財政も一層深刻化し、ツケは国民へー。対米約束の軍拡とゼネコンだけがよろこぶ公共投資、この背景には日米安保があります。
日本の食糧自給率、先進国では
いまや最低レベル

 日本の食料自給率は穀物で28%、1億人以上の人口をもつ世界10」ヶ国の中で最低です。カロリーベースでは39%(98年)で、世界178ヶ国中135番目という低さ。つまり国内生産では4800万人分しかまかなえず、残り7200万人の食料は外国からの輸入に頼っているという深刻な事態なのです。

 アメリカは「日本人の胃袋をパン食に切替える」戦略をとり、1954年のMSA協定で余剰小麦をおしつけました。そして、60年安保改定で、経済協力条項(第2条)を入れ、「貿易の自由化」の名のもとに、アメリカ農産物の「輸入自由化」や大型開発のための農地つぶし、農業破壊が急速に進みました。
さらに主食の米についても、ウルグアイラウンド合意によるミニマム・アクセス米(義務輸入米)の受け入れ、1995年4月の関税化、政府の減反・農業つぶし政策などで自給率が急速に低下したのです。

 21世紀は世界の食糧危機がいっそう深刻になると予想されており、遺伝子組換え食品や農薬汚染などの不安も軽視できません。